定理7.3.3
𝑓:𝑉→𝑊を線形写像とするとき,
𝑓は全射⟹dim(Im𝑓)=dim𝑊を示す.
dim(Im𝑓)≥dim𝑊かつdim(Im𝑓)≤dim𝑊を示せばよい.
dim(Im𝑓)≤dim𝑊を示す.
一般にIm𝑓⊆𝑊である.よって,dim(Im𝑓)≤dim𝑊.
dim(Im𝑓)≥dim𝑊を示す.
𝑊⊆Im𝑓を示す.𝒚∈𝑊とすると,𝑓は全射なので𝒚=𝑓(𝒙)なる𝒙∈𝑉が存在する.Im𝑓の定義よりIm𝑓={𝑓(𝒙)∈𝑊|𝒙∈𝑉}なので,𝒚∈Im𝑓.よって,𝑊⊆Im𝑓.したがって,dim(Im𝑓)≥dim𝑊.
以上から,dim(Im𝑓)=dim𝑊.
dim(Im𝑓)=dim𝑊⟹𝑓は全射を示す.
dim(Im𝑓)=dim𝑊とする.𝑓が全射であることを示すので,定義から任意の𝒚∈𝑊に対して,𝒚=𝑓(𝒙)を満たす𝒙∈𝑉が存在することを示せばよい.
𝒚∈𝑊とおく.仮定からdim(Im𝑓)=dim𝑊なので,定理6.8.6よりIm𝑓=𝑊である.よって,𝒚∈Im𝑓.Im𝑓の定義より,𝒚=𝑓(𝒙)を満たす𝒙∈𝑉が存在することが言える.したがって,𝑓は全射.