命題
線形変換f:V→Vとその固有値λが与えられたとき,fの安定像空間Vk′と線形変換f−λ1:V→Vの安定像空間Vkは同値である.すなわち,Vk′=Vkである.
証明
背理法で示す.すなわち,Vk′=Vkとして矛盾を示す.
x∈Vk′−Vkが存在すると仮定する.これは特にx=0である.
x∈Vkより,x∈Wkである.よって,(f−λ1)k(x)=0.
(f−λ1)k∣Vk:Vk→Vkを定義すると,(f−λ1)k∣VKは同型写像なので,x∈Vkであることも考慮して,(f−λ1)k(x)=0ならば,x=0.しかし,これはx=0であることに矛盾する.
以上より,Vk′=Vkである.すなわち,線形変換fとf−λ1の安定像空間は同値である.