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線形代数学 第1版第3刷(川久保勝夫 著)をレビューする.



 最後まで読み切ったので,この書籍のレビューをしたいと思う.

最終章のジョルダン標準形の定理の証明がわかりづらい。

 ここさえわかりやすければ、他の章の証明は割とわかりやすく書かれているため、よい参考書と言える。ジョルダン標準形の定理は1~2週間くらい証明の主張が理解できずにいた。

ビジュアル化は頑張っている。

 図は多く書かれている。他の参考書に書かれていそうな図は書かれている。しかし、参考書の終わりに近づくにつれ、図は少なくなる。そこらへんも図が欲しいところ。

1番の売りは証明の論理の飛躍が少ない参考書。

 ジョルダン標準形の定理だけが証明の丁寧さに失敗していると思うが、それ以外は丁寧に証明が記述されている。

線形代数が理解できるようになるか。

 通常の参考書と同じく定理→証明の繰り返しをしているので、証明が丁寧であって、最後まで学習できたとしても、線形代数が理解できたとならないと思う。

 この書籍には定理が何を意味(主張)しているのかが書かれていない。これも通常の参考書と同じである。定理の主張を自分で読み解く努力ができれば、購入はあり。(自分で読み解く努力ができないなら、どの参考書を買っても同じだが。)