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ヴァンデルモンドの行列式を再帰的に示す.

 他のサイトで示す帰納的な証明を再帰的に見せているだけだが,個性的な方法なのでわかりづらいかもしれない.

ヴァンデルモンドの行列式

||||||1𝑥1𝑥21𝑥𝑛111𝑥2𝑥22𝑥𝑛121𝑥𝑛𝑥2𝑛𝑥𝑛1𝑛||||||=1𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)
𝐴𝑘=(((((((((((1𝑥𝑛𝑘+1𝑥2𝑛𝑘+1𝑥𝑘1𝑛𝑘+11𝑥𝑛𝑘+2𝑥2𝑛𝑘+2𝑥𝑘1𝑛𝑘+21𝑥𝑛𝑥2𝑛𝑥𝑘1𝑛)))))))))))

とおく.

 𝑘=2のとき,

|𝐴2|=|1𝑥𝑛11𝑥𝑛|=|101𝑥𝑛𝑥𝑛1|=𝑛1𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)
  • (2)は行基本変形を行った.
    • 1行目x(𝑥𝑛1)を2行目に加えた.
  • (3)は余因子展開を行った結果をヴァンでルモンドの行列式の結果に合わせた.

 𝑘=3のとき

|𝐴3|=||||1𝑥𝑛2𝑥2𝑛21𝑥𝑛1𝑥2𝑛11𝑥𝑛𝑥2𝑛||||=||||1101𝑥𝑛1𝑥𝑛1(𝑥𝑛1𝑥𝑛2)1𝑥𝑛𝑥𝑛(𝑥𝑛𝑥𝑛2)||||=||||1001𝑥𝑛1𝑥𝑛2𝑥𝑛1(𝑥𝑛1𝑥𝑛2)1𝑥𝑛𝑥𝑛2𝑥𝑛(𝑥𝑛𝑥𝑛2)||||=|𝑥𝑛1𝑥𝑛2𝑥𝑛1(𝑥𝑛1𝑥𝑛2)𝑥𝑛𝑥𝑛2𝑥𝑛(𝑥𝑛𝑥𝑛2)|=𝑛2<𝑘𝑛(𝑥𝑘𝑥𝑛2)|1𝑥𝑛11𝑥𝑛|=𝑛2<𝑘𝑛(𝑥𝑘𝑥𝑛2)|𝐴2|=𝑛2𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)
  • (5)(6)は行基本変形を行った.
    • 2行目x(𝑥𝑛2)を3行目に加えた.
    • 1行目x(𝑥𝑛2)を2行目に加えた.
  • (7)は余因子展開を行った.
  • (8)は列基本変形を行った.
    • 列の共通因子を外に出した.
  • (10)はヴァンデルモンドの行列式の結果に合わせた.

 4𝑘𝑛1のときも同じように計算すると,

|𝐴𝑘|=𝑛𝑘+1𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)

となる.特に

|𝐴𝑛1|=2𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)

となる.

 いよいよ𝑘=𝑛のときを示す.

|𝐴𝑛|=||||||1𝑥1𝑥21𝑥𝑛111𝑥2𝑥22𝑥𝑛121𝑥𝑛𝑥2𝑛𝑥𝑛1𝑛||||||=||||||10001𝑥2𝑥1𝑥2(𝑥2𝑥1)𝑥𝑛22(𝑥2𝑥1)1𝑥𝑛𝑥1𝑥𝑛(𝑥𝑛𝑥1)𝑥𝑛2𝑛(𝑥𝑛𝑥1)||||||=|||||𝑥2𝑥1𝑥2(𝑥2𝑥1)𝑥𝑛22(𝑥2𝑥1)𝑥𝑛𝑥1𝑥𝑛(𝑥𝑛𝑥1)𝑥𝑛2𝑛(𝑥𝑛𝑥1)|||||=2𝑘𝑛(𝑥𝑘𝑥1)||||||1𝑥2𝑥22𝑥𝑛221𝑥3𝑥23𝑥𝑛231𝑥𝑛𝑥2𝑛𝑥𝑛2𝑛||||||=2𝑘𝑛(𝑥𝑘𝑥1)|𝐴𝑛1|=1𝑖<𝑗𝑛(𝑥𝑗𝑥𝑖)
  • (12)は行基本変形を行った.
    • n-1行目x(-x_1)をn行目に加え,因数分解した.
    • k-1行目x(-x_1)をk行目に加え,因数分解した.(kをn-1から順に2まで行う.)
  • (13)は余因子展開を行った.
  • (14)は列基本変形により,共通因数を外に出した.
  • (16)はヴァンデルモンドの行列式の結果.

 以上により,ヴァンデルモンドの行列式を示した.