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正の整数は2のべき乗の和で一意的に表せる.

 マグロウヒル大学演習シリーズ 微積分(上)の問題39の別解を載せる.

問39

 任意の正の整数PPは,aia_iを0か1として,P=a02n+a12n1+a22n2++anP = a_0 2^{n} + a_1 2^{n-1} + a_2 2^{n-2} + \cdots + a_n の形に,一意的に表されることを証明せよ.

2のべき乗の和で表せられること.

 正の整数PPP=a02n+a12n1++anP=a_0 2^{n} + a_1 2^{n-1} + \cdots + a_n(2のべき乗の和)の形で表されることを, 正の整数による帰納法により示す.

 P=0P=0のとき,n=0n=0において,a0=0a_0=0として表せられる.

 P=1P=1のとき,n=0n=0において,a0=1a_0=1として表せられる.

 P=2P=2のとき,n=1n=1において,a0=1,a1=0a_0=1, a_1=0として,P=a021+a1P = a_0 2^{1} + a_1と表せられる.

 Pkkは正の整数)P \leq k(kは正の整数)のとき,2のべき乗の和として表せられると仮定する.P=k+1P=k+1のときを考える. k+1k+1を2で割った余りをan+1a_{n+1},商をppとすると,k+1=2p+an+1k+1=2p+a_{n+1}

 pk以下pはk以下なので,仮定よりppは2のべき乗の和の形で表せられる.よって,2p+an+12p + a_{n+1}は2のべき乗の和の形で表せられる. つまり,PPは2のべき乗の和の形で表せられる.

 以上により,帰納法で正の整数PPが2のべき乗の和の形で表せられることを示した.

一意的に表せられること.

 正の整数PPを以下の2通りに表せられるとする.

P=an2n+an12n1++a0=bn2n+bn12n1++b0\begin{align} P &= a_n 2^{n} + a_{n-1} 2^{n-1} + \cdots + a_0 \\ &= b_n 2^{n} + b_{n-1} 2^{n-1} + \cdots + b_0 \end{align}

 PPを2で割った余りは(1),(2)で等しいので,a0=b0a_0 = b_0PPを2で割った商をP1P_1とすると, このP1P_1を2で割った余りは(1),(2)で等しいので,a1=b1a_1 = b_1.以降,同様にすると, ai=bi(i=0,1,,n)a_i = b_i (i=0,1, \cdots, n)である.したがって,(1),(2)は等しい, すなわちPPは一意的に2のべき乗の和で表せる.

 

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