定義1.2
2つの実数α=⟨A,A′⟩,β=⟨B,B′⟩について,A⊊Bならばαはβより小さいといい,α<βと書く.
定理1.1(実数の大小)
2つの実数α,βの間にはつぎの3つの関係のうちの1つ,そしてただ1つだけが成り立つ.
α<β, α=β, α>β
定理の主張
有理数と同じく,すべての実数の間には等号含む大小関係が定まる.
証明の考え方
α=⟨A,A′⟩,β=⟨B,B′⟩とする.A,Bの関係を有理数の切断の性質から考えると,A=Bはありえない.つまり,A⊊B,A=B,B⊊Aのいずれかである.
図1
また,これら3つの関係は集合の性質から,どの2つも両立することはない.つまり,ただ1つだけが成立する.
A⊊Bのとき,定義1.2からα<β.
A=Bのとき,定義1.1の実数の等号からα=β.
B⊊Aのとき,定義1.2からβ<α.
復習ノート