定理4.15(積分変数の変換と広義積分の収束性および同値性)
広義積分における変数変換(置換積分)の公式を与える定理である。関数 によって、広義積分の積分変数を から へと変換し、対応する積分範囲で計算できることを示している。
は開区間 で連続な の関数、は で連続微分可能な の関数で、 のとき 、 であると仮定する。 この仮定のもとで、広義積分 が収束するための必要かつ十分な条件は広義積分 が収束することであって、収束するときには等式:
が成り立つ。
この定理の主張は2つある。
- が収束するときは、 も収束し、その逆も成り立つ。つまり、この2つの広義積分の収束性は等価である。
- である。1.で収束性の等価を主張しているが、その極限値が常に同じであるとは言及していない。そこでこの2.で極限値が常に同じであることを主張している。
まず、任意の に対して、 は連続なので定積分 が存在する。これに対応する 内の区間を (すなわち )とすると、通常の定積分の置換積分公式より、次が成り立つ:
ここで、ある一点 と を、 となるように固定する。原始関数に相当する関数をそれぞれ次のように置く:
式(1) より、 がすべての で成り立つ。
1. 収束性の等価性
Section titled “1. 収束性の等価性”広義積分 が収束するための必要十分条件は、定義により極限 および が存在することである。
仮定より かつ は連続なので、 のとき となる。合成関数の極限の性質により、
であり、右辺が存在するならば左辺も存在する。下端についても同様に が成り立つため、必要条件が示された。
は から への連続微分可能な関数であり、その像は 全体にわたる。十分条件を示すには、 が または に近づくときに が収束することを確認すればよい。 と考えれば( が狭義単調であることを考慮すると)、
が成り立ち、右辺が存在するならば左辺も存在する。下端も同様である。
以上 (i), (ii) より、収束性の等価性が示された。
2. 極限値の等号
Section titled “2. 極限値の等号”双方が収束する場合、その値は次の極限で与えられる:
以上により、等式が成り立つことが示された。
まとめ:定理4.14 と 定理4.15 の違い
Section titled “まとめ:定理4.14 と 定理4.15 の違い”定理4.14と定理4.15は、どちらも積分変数の変換に関する定理であるが、その主張が異なる。
- 定理4.14は、積分変数の変換と定積分は等価であることを示す。
- 定理4.15は、「区間の端が不連続な点な場合でも」、積分変数の変換と広義積分の収束性が同じであり、その極限値も同じであることを示す。
定理4.14(定積分の積分変数の変換)についてはこちらを参照すること: 定理4.14 (定積分の積分変数の変換)
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